和泉式部

時を超える恋詩～和泉式部～

わずか31文字の言の葉の中に、自分の想いの全てを詰める・・・

現代よりもはるか昔の日本では、身分の差や今とは違う不便な暮らしから、自由に逢瀬ができない相手へ自分の精一杯の気持ちを伝えるために和歌という詩に想いを込めてきました。
豊かな感性と、才能溢れる文才を持つ者が、その時代のモテ人間の座を制したと言っても過言ではないでしょう！

今でこそ、「メールで告るとかありえない・・・」と思われるものですが、それでも面と向かって想いを伝える勇気がない人もきっといるはず。
ぜひ昔の人の言葉のテクニックから、繊細な恋愛観と気持ちの伝え方を磨いていきましょう

"世の中に　恋てふ色は　なけれども　深く身に染む　ものにぞありける"
（この世に恋という色はないけれど、深く身に染みるものね）

"君恋ふる　心は千々に　くだくれど　ひとつも失せぬ　ものにぞありける"
（キミのことを想う気持ちは砕け散ってしまうほどなんだけど、その一つだってどれも失せないものなんだよ）

"つれづれと　空ぞ見らるる　思ふ人　あまくだりこむ　ものならなくに"
（ただこの空を眺めてる。恋しく思うあの人がが天から降りてくることなんてないのにね。）

"涙川　おなじ身よりは　ながるけど　恋をば消たる　ものにぞありける"
（涙も恋も同じ私の身体から流れているのに、涙は恋という火を消してはくれないね）

和泉式部もまた、その文才のテクニックと感覚的な性格により多くの男性との噂が絶えず、その時代のスキャンダル女王として知られていました。
日本人の感性といえば、直接的な表現を避けて、所作や言葉で気持ちを伝えることが多いと考えられています。ですが、和泉式部の場合は彼女の歌からも解るように、とてもストレートかつ感覚的な表現をしていますね。

当時から90以上の色をカテゴライズしてきた日本人でも、恋だけには色をつけることはできませんでした。でも、相手との一つ一つの思い出やその想いが恋として身に染みている。だからバラバラに砕け散っても、どれも失われるものではない。そして、その想いは炎のように身体から燃え上がるもので、相手のことを想って流す涙でさえも打ち消すことができないよ。

そんな熱い思いが伝わってくる詩ばかりです。
ぜひ和泉式部のストレートだけでなく、情熱を伝えるテクニックを真似てみてはどうでしょうか？

時を越える人々の恋詩に耳をすませば、新しい恋愛観が見えてくる♪

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