清少納言

時を超える恋の詩～清少納言～

文才と情熱を極めた者が、時代のモテ期を制す！小野小町、和泉式部・・・今日も誰もが知っている平安時代の女性歌人「清少納言」から。

“これを見よ　うへはつれなき　夏草も　下はかくこそ　思ひみだるれ”

（見て！上は何ともない夏草だけど、下葉はこんなに色が変わるほど思い乱れているの）

“我ながら　わが心をも　知らずして　また逢い見じと　ちかひけるかな”

（自分のことなのに、何もわかってなかったよ。もう二度と会わないと誓うなんて・・・）

清少納言といえば、同時代で紫式部や和泉式部と共に才女として知られていた歌人でした。
和泉式部は奔放な歩くスキャンダル女。
紫式部は荒波を立てずに上手いことやる飄々女。
そして、清少納言は言いたいことは言ったもん勝ちの毒舌女。
3人とも性格こそ違いますが、その文才には宮中の誰もが感嘆の声を上げたといいます。

そんな毒舌女として知られていた清少納言ですが、彼女の歌はとてもいじらしい性格が垣間見えます。
「思い乱れる」という言葉は「恋しさに心が乱れる」という意味があります。

「表向きはそんな素振りを見せないけれど、実は内心あなたのことばかり想ってるの・・・」

「会わない！と啖呵を切ってしまったけど、そんなことできないよやっぱ。絶賛沈み中なのです・・・」

毒舌女どころか、元祖ツンデレ女。

ついつい思っていることとは違うことを言ってしまう方。ずいぶん昔にもいたみたいですよ！
ちょっと強情で、口もキツいけど、実は優しくて照れ屋さんで、そして誰よりも相手のことを大事に思っている、あなたと同じ性格の人！思わず言葉が出てきてしまいそうになったときは、一度落ち着いてみるクセをつけてみましょう。あなたのことを理解してくれている相手なら、きっとあなたの言葉を待ってくれます。

時を越える人々の恋の歌に耳を澄ませば、新しい恋愛観が見えてくる♪

詠み人プロフィール

清少納言
康保3年頃（966年頃）-万寿2年頃（1025年頃）

平安時代の女流作家、歌人。随筆「枕草子」は有名。清原元輔の娘。中古三十六歌仙・女房三十六歌仙の一人に数えられ、『清少納言集』、『後拾遺和歌集』、『勅撰和歌集』に入集。漢字にも通じた。ユーモアがあり、明るく、鋭い感覚を持った女性であったと言われている。
同時代の『源氏物語』の作者・紫式部とのライバル関係は、後世盛んに宣伝されたが、二人の面識はなかったことから紫式部の一方的な見方と考えられている。